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シンニード・オコナーは今も元気にしているだろうか


 これを初めて聞いたのは、どっかのクラブで朝の5時ぐらいまで踊っていて、あんまりよく知らない友達の友達の外国人の女の子とセックスをした日の翌日だった。私が目を覚ましたときに彼女はこの曲を大音量でかけて、ちょっと離れたキッチンで朝食の準備をしていたわけである。朝食の準備をするなんてなんと親切な人なのだろうと思いつつ。身体の節々が痛くて、そのうえ二日酔いといったところで、上体を起こすことができずにベッドの中でこの曲を聞いていた。サルトルの嘔吐にある冒頭の描写のように素っ裸の肌を綺麗なシーツにこすりつけているのがやたらと気持ちがいい朝であった。

 ところで、この歌を歌っているシンニード・オコナーは元気だろうかと思い、ネットで検索してみると、何やらひどいことになっている。坊主頭の天才歌姫の姿というのはなかなか因果なものだなぁと思いつつ。ネットの記事に目を通している。この美しい歌にはそもそも非常に破壊的なモティベーションがあったのだなぁなど、いろいろ考えるのである。
 Massive Attackが来日したとき、会場は大学時代の同窓会みたいになっていた。あいつも来ているしこいつも来ているし、あいつは後ろの隅で女の子といちゃいちゃしているし、こいつはすでに泥酔しているしで、いろいろ思うところはあったがそれはそれで楽しかった。彼女はこのTear Dropを歌うためだけに来日していたということになるだろう。一曲のために遠く西洋のどこかから日本に来たのだろう。
 彼女が作ってくれた朝食はパンとハムとバターと淹れたてのコーヒーだ。上等ではないか。同棲をはじめた恋人みたいな感じで朝食を食べ始める。「こんなでっかい音で音楽かけて近所に迷惑じゃないの?」と聞くと「私の部屋は防音なので、問題なしよ。」と言いながら別の部屋の入り口付近を指差した。真っ黒いグランドピアノの一部が少しだけ見えた。ああ、そういうことなんですね。すごいですね。

シネイド・オコナーの17歳になる息子が行方不明になり、2日後の1月7日に遺体で発見されたことが、先週オコナーのSNSで発表されました。自殺だったようです。
オコナーのツイッターには、次のように綴られています。
「私の美しい息子であり、まさに私の人生の光だったネヴィム・ネスタ・アリ・シェーン・オコナーが本日、この世での苦闘を終わらせる決意をしました。彼は今、神と共にいます。彼が安らかに眠り、彼と同じ道を辿る人が一人もいませんように。私のベイビー、とても愛しています。どうか安らかに」
My beautiful son, Nevi’im Nesta Ali Shane O’Connor, the very light of my life, decided to end his earthly struggle today and is now with God. May he rest in peace and may no one follow his example. My baby. I love you so much. Please be at peace:

シネイド・オコナー、行方不明だった17歳の息子が遺体で発見

 こりゃひどい話だ。彼女は大金持ちのピアニストか? 帰りがけに彼女は「Eによろしくね!」と言った。Eはそんなに仲のよくない女の子友達であったが「ああ、よろしく言っておくよ」おくよ」と定形通りに返した。Tear Drop? 泣いているのか? 英語の曲の歌詞なんて聞こうとしたことがないばかりか、日本語の曲だって歌詞を聴いたためしかない。そもそも歌詞なんてどうでもいいのだと思っている。何となくリズムにのせて気持ちのよい声を出せていればよいのである。



2022.08.09