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システムの見積もりの方法


システムの見積もりの方法です。システムの見積もりの方法はこれまでもこれから先も「何もわからない」が前提になります。素人向けに何となく見積もりしている雰囲気を目一杯醸し出すといったことがメインになるためにシステム開発の見積もりは何も見積もっていないが前提になります。少なくとも「何もわからない状態で何かを見積もる」といったことを我々は心に留めておく必要があります。
表立ってシステム案件の見積もり方法は「何も見積もっていない」とは誰も言わないし、お客さんにも言わないのですが、実際にはJUAS、IPAなどの公的(乃至限りなく公的機関に近い組織)でも案に見積もりできないことをすでに公表しています。つまりシステムの見積もりと実際に仕上がったシステムにおいての調査で統計的にその傾向を算出しているというわけです。

ページ数で見積もる

ソフトウェアメトリックス調査2020 システム開発・保守調査
端的にいってシステムの見積もり方法が全くわからないので、ページ数で見積もるという方法があります。WEBシステムにおいてページを1つ作るという概念自体が非常に曖昧になります。というのもincludeするもの共通で利用しているデータやそのページにおいて利用されている裏側のシステムなどを考えるとページ数において見積もることは非常に困難です。しかしJUASでは、総工費とページ数という単純な相関関係でもってぞれぐらいの割合だったかというものを提示してくれています。
人件費が単純に10,000円/1人日とした場合に、1ページあたり、新規で1.9、修正・更新で0.9をかけるといった計算方法です。ここではシステムの裏側の部分もまるっと入れて総工費に対する割合として算出していることになります。単純計算で、100ページある場合は100 x 1.9で190万円という計算になります。これは単純な経費となるので、ここに利益率や確認・テスト工数をのせてゆきます。
ここで大切なのは、たいして機能要件がなかったとしても単純にページ数だけは確保しておくといったことが肝になります。ここでは大きめもモーダルパーツ、あるいは小さくても機能てんこ盛りのパーツもページ数として数えておくのがよいと思います。

システム工数の割合

上記で単純計算したものをコアにして、周辺の作業がどれぐらいの割合になるかというものをIPAが(これまた統計データとして)示しています。つまりロジックはないんですね。
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プロジェクト工程の比率について

先程の工数のコア部分が33%ということになります。

工程 割合
基本設計 17%
詳細設計 17%
製作 33%
結合テスト 20%
総合テスト 13%

いわゆる制作が33%なので残りの2/3をかけ合わせると算出できます。190万を1/3とするわけですから、190 x 3で570万の総工費ということになります。機能がモリモリだとあながちヘンテコな感じはしないです。
これに会社としての利益率やサービス値引きなと諸々考慮すると組織としての見積もりになります。見積もりの項目と合わない場合は適当に按分すればよいでしょう。アカを喰らわない見積もりの方法がこれになります。

 ### スケジュール

見積もりと同時に提出しなければならないものがスケジュールです。これはバッファを含めて見積もるべきではありますが、これもまた対して根拠がありません。



2022.05.24