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JUASと開発工数と見積もり


JUAS: 一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(Japan Users Association of Information Systems)というものがあります。国内のシステムデリバリーの見積もりと制作ページ数の統計をとって算出したデータになります。どうしてこんなものがあるのかというと、当然ながら、システム開発の見積もりを誰もができないという前提があるからです。ある程度の公式があり、それに当てはめればある程度見通しがよくなると言う程度のものですが、初期段階では非常に役に立ちます。

見積もりの方法

前文が長い解説が嫌いなので、端的にお伝えすると、システム工数は内容が非常に複雑なのでJUASが考えた指標は「ページ数」のみで考えようといったものになります。それ以外の要素は必要ありません。
新規開発では1.91を、改修では0.96をページ数にかけるといいものです。

新規開発
全体工数=1.91×ページ数
再開発、改修
全体工数=0.96×ページ数

当然のことながら、ソフトウェアメトリックス調査2020システム開発・保守調査にあるように、これらは統計データであり、思弁的なユークリッド幾何学のような公式ではありません。およその全体像を掴むための統計的な指標になります。(しかしこの手のシステム関連の資料のデザインがひどいですね。)
「SWM2.0 開発 (新規開発、再開発・改修)」としての資料で、ここでわかる指標は、

  • システムの規模
  • 工数(人月)
  • 総予算
  • 工期(月)
  • 品質・コスト・納期(QCD)

になります。ここで謳われていることの大枠は、計画工数よりも実績工数の方が圧倒的に多いということになります。逆にいうと計画よりも楽だった制作事業はほとんどないということです。おそらく殆どの案件で炎上しているのだと思います。



2022.04.21